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■東急ハンズの秘密 (6/7/2009)
和田けんじ 日経BP出版センター \1,400
最近元気のない東急ハンズについて書かれた本ですが、ある意味今後の小売りのあり方を知ることが出来た良書なのでご紹介です。
東急ハンズはまさに一世を風靡した小売店で、サブタイトルにあるとおり「ロングテール」なんて言葉が世に出る前からそれを実践していた店であり、ないものはない、というお店の代表格でした。この本は、そのコンセプトや品揃えの基本、従業員の考え方などを、具体的かつわかりやすく説明しています。商品の陳列を含め、小売業の様々な基本がきちんと解説されていますし、その意味ではよい教科書のように思いました。
しかしなにより面白かったのは、最後の30ページほどです。というのは、ご存じ通り近年東急ハンズは元気がありません。店舗の縮小のみならず、品揃えもパットせず、オシャレなロフトのほうがまだ人気があるように思われます。この衰退の原因をこの著者はきちんと分析していますし、内容的にも非常に納得できるものになっています。さらに現在の小売業の問題やネットビジネスとの関係や展開、その意味などもきちんと解説されています。したがって、全体的に元気のない小売業が再生するヒントが非常に多く提示されていますし、参考になるところも多いように思えます。
ということで、元気のない小売業の未来とヒントを考えてみたい方に。
■問題解決の全体観 上巻 ハード思考編/下巻
ソフト思考編 (6/7/2009)
中川邦夫 コンテンツ・ファクトリー \2,800/\2,600
ハード思考とソフト思考という言葉に惹かれて読んでみましたが、それなりに面白かったのでご紹介です。
内容的にはタイトル通り、問題解決の本となります。しかし比較的丁寧な解説が行われており、上巻では問題解決技法や解決手順など、手続きに沿った問題解決のやり方を具体的に説明してくれています。下巻では具体的な問題解決に繋がる発想や思考法を説明しており、その意味で上巻をハード思考、下巻をソフト思考と名付けているようです。大昔ソフトシステムズ思考に関する本を読んだため興味を持ち、それに関係したアプローチかと思いましたが、そうではなかったのは少し残念でした。しかし比較的に一つ一つのことが丁寧に書かれていることから、参考になるところも多いように思います。また具体的技法がたくさん紹介されていることから、アプローチなどで煮詰まったときの参考にもなるかも知れません。
しかしこの本、内容はともかくとして一連の流れを理解するために5,400円もの投資が必要です。一冊2000円以上の本は決して安くありませんし、そのボリュームを考えると、ちょっと腰が引けてしまうのも事実です。
したがって、お金と時間が十分に余っている方には、お勧めです。