5月第2週目のWeekly reportです。
Newsでも記しましたが、先週日曜日、左足の小指を骨折してしまいました。今日も医者に行きましたが、全治1ヶ月半〜2ヶ月ほどの状況です。痛みはそれほどでもないような気がするのですが、踏ん張りがきかない分、足もとがおぼつかない感じです。とはいえ仕事はありますので例の杖をついて外出していますが、バリアフリーとは名ばかりの日本の状況に呆れてしまいます。
段差が多いことは言うに及ばず、地下鉄の駅の階段の多いこと多いこと...その上、上へ下へと階段が続き、杖をついて歩くだけですっかり疲れてしまいます。タイルや金属などの滑りやすい床も多く、雨の後は杖や重心のかかった片足が豪快にスリップします。店の前にはカウンターが無く、財布をだすためにカバンと杖を四苦八苦しながら持ち替えたりします。
エスカレータはその速度と杖、足の同期が必要ですので、足が不自由な人には補助になりにくい乗り物です。エレベータの数は少なく、設置すらない駅もあります。目の不自由な方用の点字ブロックは、足の悪い人間にはそのでっぱりが堪えます。人の多い電車の乗り降りは、本当に気を使うだけでなく、乗り降りの混雑と時間の短さにほとほと参ります。
さらに改札では、カバンと杖で両手がふさがっていますので、Suicaをかざすのに一苦労。人の流れが速く同期できないので、後ろの人間に突き飛ばされそうな勢いです。横断歩道も渡っている途中で赤に変わる始末ですし、すべて体の不自由な人間にやさしくない現実があります。
健常者には何の問題もない世界が、体の不自由な人間にはなんと冷たい世界であるかを、体に問題が生じたときにいつも感じます。足首の強度のねんざから始まって、肘の腱を伸ばしたり、腕の神経を切って指が動かなくなったり、目が見えなくなったり、私もこれまでも体に様々な支障を生じてきました。その都度、この世界がいかに健康な人間のためにできているかを痛感します。また普段何気なく過ごしている生活の速度が、いかに早いかを思い知ることになるのです。
これから当面、日本は老人大国になります。老人になれば、多かれ少なかれ体に不自由が生まれます。となればこれらを変えていく必要性が年々高まっていますし、そのことは真のバリアフリー社会を作り出します。さらに現在の景気を考えると、こういった大々的な動きが公共投資となるでしょうし、それが経済を活性化する可能性も生まれます。無駄な道路をたくさんつくるより、ずっと有効な税の使い方といえるでしょうし、便利な社会になることは間違いありません。そして新しい姿のそれらをつくるため、元気な人、体の不自由な人、老人すべてにとって便利な社会であるために、さまざまな形でITが利用されるはずです。またITを利用した新しい設備や装置の利便性と安全性を高めるため、ITはさらに進化する必要性が生じるはずです。やがてはそれら日本発のテクノロジーが、世界を豊かに出来る可能性を持ちます。これこそ私が常々申し上げている、正しいお金儲けと思うのです。
普段の生活に埋没することなく、たまにそういった社会を考えてみることも、IT技術者にとって重要なことと思う、今日この頃です。
ただ一つ見直したことは、人の親切さです。電車のシルバーシートでもない席でも、杖をついて乗り込むと多くの人に譲っていただけます。若い人、中年の人、男性、女性、ほんといろいろな方が席を譲ってくれるのです。かっこわるく恥ずかしいのですが、せっかくの善意を無駄にしないためにありがたく座らせていただいておりますが、ホント日本の助け合いの心もすてたものじゃないですね。
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今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・テレビは丸めて携帯 ブリジストン 樹脂基盤で電子ペーパー
・統合から1年半 CTC、相乗効果現れず
・ビル・ゲイツ氏会見 独立した戦略に集中
・プラモデルの設計・製造期間 バンダイ 2〜4割短縮へ
・コラボ進むコーヒー店
・「アジア」「携帯」に重点 孫社長、積極投資を強調
・日本IBM ICタグ開拓へチーム
さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。