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■人間の未来 AIの未来 (2/19/2018) 


山中伸弥 羽生善治 講談社 \1,512
ノーベル賞受賞者である山中伸弥氏と、将棋の竜王である羽生善治氏という異色の組み合わせがAIについて語るという面白そうな内容だったため読んでみましたが、本当に大当たりでした。
山中氏、羽生氏がそれぞれの立場でご自分たちの専門である生命科学や将棋の世界をベースに、さまざまなテーマについて対談されていますが、これが本当にかみ合っていて素晴らしく面白い。正直羽生氏がここまで多岐の分野に精通されており、これほど頭の良い方とも思っていませんでした。やはりどのような世界であれトップをはる人間は、常人では想像できないような頭の良さと学習意欲、そして何より努力をすることを当たり前とする素晴らしさがあるようです。
本の内容については2018年2月第三週のWeekly
Reportをご参照いただきたいですが、藤井六段が羽生竜王を破ったこの耐未妊具でこの本を読むことは、本当にさまざまな意味で面白いと思います。また技術的観点ではなく実用されている分野からの人工知能に対する考察は、本当に多くのヒントがあるように思いました。また私自身最近強く申し上げていますが、日本の規制がどれだけ様々な分野の発展を阻害しているかも知ることが出来ますし、オープンソースが生む新しい世界についても我々とは違った観点から学ぶこと出来ます。
ということで、日本の最先端を走る人間の考えとそのすごさを体感したい方に。
■世界一やさしい右脳型問題解決の授業 (1/22/2018) 

渡辺健介 ダイヤモンド社 \1,296
ベストセラーになった、世界一やさしい問題解決の授業の続編に当たる問題解決の本が発売されたました。
実はこの本の前に、自分の答えのつくりかたという本がありましたが、正直こちらは自分探しの本であり、問題解決とは関係のない本でした。しかし今回の本はタイトルにもあるとおり問題解決であり、前作の正規の続編といえます。
内容的には、前作がいわゆる論理的思考、すなわち左脳を使った論理的思考の本だったのですが、今回は右脳をつかったイノベーションなどの手順を解説した本になります。前作は非常に論理的で面白かったので今回も期待したのですが、予想に反して意外と当たり前の内容のように思えました。確かにイノベーションなどの作業は、これまでのサービスや商品の延長線上にはなく、全く新しいひらめきを要求します。イノベーションを起こすための手順はあっても、ひらめきそのものは技術的に教えることは困難といえますし、問題発見解決のような明確なツールもありません。となると、新しい発想にいたる手順が中心となってしまうのは仕方のないことなのですが、やはり読み手としては多少不満感が残ります。
それでもイノベーションに関する難しい本や結果論としてのイノベーションを解説した本よりは面白いですし、発想を浮かべる、まさに右脳を活性させるモノの考え方はヒントになるかも知れません。とはいえ私は、絶対的な知識量が新しい発想のベースとなるという考えなので、手順が納得できてもそれだけでは新しい発想が生まれてくるとは思えませんが。
ということで、右脳を活性化する手順を知りたい方は、読むと少し面白いかも。